本題に行く前に、前回の「返報性の法則」の記事についてはこちらよりご覧ください。(→返報性の法則の記事)
さて、今回お届けする人間の本質はずばり「カクテルパーティー効果」です。
カクテルパーティーという名前の通り、これは「お酒を飲む場で起こるある効果」を示したものです。
お酒の場で使える効果なんて大抵あてに出来なさそうな気がしますが、それがどうビジネスに関係するかを、このブログでは紹介させていただきます。
これも、人間の本質につながる心理学ですので、生活の色々な場面でも使えます。
なので、ぜひあなたも、この機会に「カクテルパーティー効果」について、学んでみてください。
それではいきましょう!
カクテルパーティー効果とは?
カクテルパーティー効果とは、居酒屋や街の中などの騒がしい場所であっても、自分の名前や、興味のあるキーワードだけは耳に入ってくるという効果です。
カクテルパーティーとは異業種交流会のようなもので、そんな騒がしい中でも、自分の興味のあるワードであれば聞こえてくるため、そのままカクテルパーティー効果と言うそうです。
カクテルパーティー効果というものは、イギリスの心理学者「コリン・チェリー」さんが発見したんだとか。
私たち人間というのは、無意識に聞き取る情報を取捨選択していて、自分と関係の低い情報はただの「雑音」としてセグメントされ、脳に認識されないんです。
でも、自分と関係性の高い情報というのは、どんなにガヤガヤしていたとしても、耳に入ってくるんですよね。
つまり、人間の脳には、自分が今意識すべき情報を勝手に選別してくれる機能が備わっているというわけなんです。
視覚も取捨選択される
カクテルパーティー効果というのは、何も聴覚だけのことではありません。実は視覚的効果にも、カクテルパーティー効果は働きます。
ある大学で行われた実験なんですけど、教授が
「今から子供たちがバスケットボールをしている動画を見せます」
と生徒に言いました。そして、
「白いTシャツの子が、何回シュートを打ったのか、数えてみてください」
と言いました。
すると生徒は、動画が始まってすぐに、その白いTシャツの子を目で追ったわけです。
そして、動画が終了し、教授は生徒に尋ねます。
「さて、今の動画に映ったある動物が何かわかりますか?」
と。
すると、ほぼ全ての生徒が「動物なんてでてきていない」と言いました。
しかし、このバスケットボールの試合をしている中、熊の着ぐるみを着た人物が、ムーンウォークをしていたのです。明らかに目立つとこで。笑
2度目の動画を見た時に、生徒たちは
「こんなおかしな行動を見逃していたなんて!」「こんな目立つ動きしているのに!」
と、驚いたそうです。
こんなに目立つところに、面白い行動をしている人がいたとしても、自分たちの「得るべき情報を取捨選択したことで、熊の着ぐるみが一切目に入らないんです。
少し怖いカクテルパーティー効果
とはいえ、このカクテルパーティー効果、少し怖いなぁと私は思うわけです。
だって、自分が欲しいと思っている情報しか、脳に入ってこないわけですよ。いらない情報は、目や耳に入らないように遮断されるわけですからね。
特に最近は、Googleのアルゴリズムが凄すぎて、このユーザーに応じた情報を適時表示させます。動画でも、ネット広告でもそうですね。
その人が欲しがっている「意識的」な情報しか、私たち人間は習得できない環境に、どんどん変化してきているというわけなんです。
なので、あなた自身は、偏った情報ばかりを得るのではなく、より違うジャンルの人と関わることにより、自分が興味のなかった分野の情報を与えてくれる人と出会う機会を作ることが大事だと思います。
深いですね。カクテルパーティー効果。
カクテルパーティー効果をビジネスに活かすには?
では、実際にカクテルパーティー効果を、どうビジネスに活かせばいいのか。気になりませんか?
毎日、たくさんの情報に晒されている私たちの環境というのは、まさに日常がカクテルパーティー状態だと思います。
一歩外にでたら、電車や駅の広告、大型モニターでのCM、ビラ配りの営業マンがいます。そしてスマホを見ていても広告がバンバン出てきて、あなたにどんどん情報を送り続けます。
そんな中、人はあふれる情報を取捨選択し、自分に必要な情報だけ聞き取り、不要な情報は「雑音」としてフィルタリングします。
と、いうことはですよ。
あなたの発信している情報も同じく、お客さんに「雑音」としてフィルタリングされている可能性があるってことなんです。
これは、何も対策をしない場合、「雑音」として扱われるだけであって、あなた自身がこのカクテルパーティー効果を、「自分の情報だ」と認識させることができれば、逆にどれだけの広告の中に埋もれていたとしても、情報に入ってくるというわけなんです。
そう考えると、カクテルパーティー効果を活かさないわけはないですよね?
そんなカクテルパーティー効果を最大限に活かすためには、「ターゲット」がもっとも重要です。
解説しますね。
誰に向けてその広告を書いているの?
カクテルパーティー効果を最大限に活用するためには、お客さん自身に「自分の関心のある情報だ」と脳レベルで認識させなくてはいけません。
その具体的な方法は、ターゲットをできるだけ明確にすることです。
例えば「新社会人のあなたへ」という文言をアイキャッチに入れることで、少なくとも新社会人の方は「お?」と注目を引くことができます。
それ以外にも「1日中立ちっぱなしのあなたへ」とか、「子供が5人以上いるあなたへ」とか、「食べていないのに太る人へ」とか、他の広告とはちょっと違うのわかりますか?
これは具体的な特定のターゲットに絞って広告を出す際に用いる王道の方法です。それをなぜやるかというと、まさにカクテルパーティー効果があるからなんですね。
多くの情報に溢れている中、あなたの広告を見てもらうことなんて、本当に難しいわけです。
だからこそ、他社ができない「ターゲットを絞って広告を出す」ことをすれば、お客さんの注意を引くことができます。
このように、相手の置かれた立場や環境、状況、生活などを踏まえて、ターゲットを絞った広告を打ち出すことで、カクテルパーティー効果をいい方向に活用することができるわけです。
結局「誰」に伝えるのかが一番大事
このように、カクテルパーティー効果というのは、良くも悪くも働く人間の心理です。
ただ、カクテルパーティー効果によって、注意を引いたとしても、その後に続く商品が、お客さんの求める悩みを解決するものでなかったら、やはり商品は売れません。
当然、注目を引くことは第一段階ではありますが、結局は誰のために、何を解決するものなのかを明確にしないと、商売はうまくいきません。
なので、今一度あなたのお客さんの関心ごとや悩み事、困っている状況や場面を想像して、それを先読みした戦略を立てていくことが大事です。
カクテルパーティー効果を最大限に活用するためにも、ぜひターゲットについて、もう一度考えてみて欲しいと思います。
それでは、今回はこのへんで!
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