本題に行く前に、前回の「アンカリング効果」の記事についてはこちらよりご覧ください。(→アンカリング効果の記事)
さて、今回お届けする人間の本質はずばり「返報性の法則」です。
これまで、様々な人間の本質をお伝えしてきましたが、この返報性の法則(もしくは返報性の原理)は、全てのビジネスマンが知っていて損はないと思います。
私がコピーを学び初めの頃、この返報性のパワーをに驚かされました。
この原理については、社会心理学者のR.チャルディーニ氏の著書『影響力の武器』でめちゃくちゃわかりやすく書かれております。
セールスライターとして起業したいとか、ビジネスを持っている人であれば、絶対に知っておいて損はない人間の本質だと思うので、ぜひ今回も学んでみてくださいね!
それではいきましょう。
返報性の法則とは?
返報性の法則については、いろんなビジネスマンの方々が解説してくれていますが、超わかりやすくいうと、「人は恩を受けたら、その人に恩を返したくなる心理がある」ってことです。
一方的に恩だけもらっちゃうと、なんだか気持ち悪くなりますよね?
それは返報性の法則が働き、良いことをされたら、お礼をしなくちゃという人間の本質があるからなんです。
わかりやすく、例え話をしましょう。
私がよく返報性の法則を説明するときにつかうのが、スーパーの試食販売のおばちゃんです。
あなたもよく見かけるであろう、スーパーの試食販売。
あれはなぜ昔からずっと続けられているのかというと、「返報性の法則をビジネスとして活用し、実際に効果(売上)が出ている」からやるわけなんです。
具体的な活用方法はこうです。
夕飯の買い物にスーパーに足を運んだ美智子。
今日は幼稚園帰りの娘と一緒に買い物にきました。
すると、子供が大好きなウインナーが、試食できるコーナーがあります。
優しそうな試食販売員のおばちゃん、翔子はすかさず
「お嬢ちゃん、ほら、ウインナー食べない?」と聞きます。
夕飯前でお腹を好かせた子供は喜んで「うん!食べる!」と言い、
まんまとウインナーを食べます。
すると試食販売員の翔子は、母親である美智子に
「今日、ウインナーが特売なんです!いかがですか?」と声をかけます。
美智子は自分の子供がウインナーをタダで食べさせてもらったので
なんだか断りにくくなります。
「じゃあ、、、ひとつ買いますね」と、
美智子は買う予定のなかったウインナーを買うことになりました。
「まんまとひっかかったな。ケケケ。あっ、そこのお嬢ちゃん。」と
翔子はまた次の獲物を狙うのでした・・・。
このショート劇場(?)のように、美智子は自分の子供が無料でウインナーを食べたことに対して恩を感じてしまったわけです。
タダでウインナーをもらっておいて、無視することは、人間心理的にも気持ちが悪くなるわけです。
恩というのは、受け取ったら、返さなくてはと感じるものなので、結果、美智子のように買う予定のなかったウインナーを買うことで、恩を返報しているわけなんですよね。
そのほかにも、友人から誕生日プレゼントをもらったら「返さなきゃ」と思ったり、誰かに優しくされたら自分も優しくしてあげることも同じです。
ただ、私がここで言いたいのは、返報性の法則を、どんな手を使ってでも活用しろ!ってことではありません。
昔はこの方法で商売をする人も多かったのですが、現代人は情報のリテラシーが上がっているので、そもそも借りを作らたがらない人が圧倒的に多いわけです。
なので、今回は現代版返報性の法則を正しく活用していく方法について解説したいと思います。
※その通り。試食販売のおばちゃんはみんな良い人ばかりです。(バブリーさんナイスフォロー)
ビジネスで返報性の法則を使うには?
では、我々はどうやって返報性の法則をビジネスに活用していけばいいのでしょうか?
実は私たちのビジネスでも、当然のように行っているものがあります。それは「無料お試し」です。
無料で行うということは、通常料金がかかることを、タダでお試ししてもらうわけですから、売り手側のほうが譲歩している(恩を与えている)ように感じます。
しかし、今の時代「無料お試し」はどこでもやっています。受けとる側も、そもそも「恩」を感じませんし、むしろ数ある商品の中から選んであげたくらいにしか思わないでしょう。
でも、これが2回、3回と加わっていけばどうなるかというと、ザイオンス効果(接触頻度を多くすることで好意を持つようになる効果)が働いてきます。
その無料サービスの全てで、質の高いコンテンツを提供していくと、いつしか当たり前から、「恩」を感じるようになるわけです。
つまり、これだけ商品やサービスの数が増えたことで、そもそも無料で試してくれるお客さんのほうが「恩」を先に与えてくれているわけです。
こう考えたら、逆に売り手は数あるサービスの中から、自分の商品を試してくれたお客さんに「恩」を返さなきゃ!と思ってきます。
当然、返報性の法則を解説している人は、「顧客に対して恩をどう与えるか?そしてどう顧客に恩返しをしてもらうか?」という活用を伝えていると思うのですが、私は逆だと思っているわけです。
なぜなら、恩は与えて与えて与えまくるものであり、それに対して見返りを求めないという考え方が今後のビジネスでは重要だからです。
解説しますね。
ギブの精神でビジネスは行うべき
『ギブアンドテイク』という言葉がありますが、これは返報性の法則を顕著に表す言葉のひとつです。
これは、何かを与えたら代わりに何かをもらう、何かをもらったら代わりに何かを与えるという、対等な関係を意味していますよね。
でも最初っからテイクありき(見返りを求めている)だと、「信頼」が構築されません。
信頼がないビジネスは、単発的にはいいかもしれませんが、口コミも起こりませんし、他の誰かに紹介したり、また別の商品を買ったりすることはないわけです。
当然、この人から買いたい!この人を紹介したい!と思われるためには、あなた自身がギブの精神でいなくてはいけません。
見返りを求めることなく、相手のためになることをしてあげる。
そうすることで、あなたのことを信頼してくれた人が、長くあなたのお客さんでいつづけてくれるわけです。
良い評判は、良いお客さんをつくりますし、悪い評判は、必ず人を遠ざけます。
最近よく話題にもなる、アダムグランド著書の「GIVE & TAKE 与える人こそ成功する時代」にも書かれていますよね。
詳しくはこの本を読んでもらいたいのですが、なんでもかんでもギブをしていいわけでもないんです。実は与えることって難しいんですよ。笑
マザーテレサの名言にも、こういった言葉があります。
与えることを学ばねばなりません。でも、与えることを義務と考えるのではなく、与えたいという願いとすることが大切です BYマザーテレサ
この言葉、深くないですか?笑
私はぐさっと刺さりましたね〜。
ちなみに、GINE&TAKEの著者であるグランド氏は、この本で「ギバー(与える人)になるための10の方法」を紹介していますが、私はその中で「5分間の親切」が一番手軽かなぁと考えます。
コツは、あなたにとって、そこまで大変ではない(5分で完結する)作業だけど、相手にとってはめちゃくちゃ嬉しいこと。
この5分間の親切を、毎日繰り返すことで、あなたは無理なく相手に与えることができます。
それを繰り返していけば、いつしか返報性の法則が良い方向に働き、結果、あなたのビジネスが成長していくのだと、私は思うわけです。
ということで、今回は返報性の法則についてお話ししました!
返報性の法則だけではなく、人間の本質はいろんな要素が混ざり合ってできています。
あなたが商売をする相手は「人間」なので、その本質をできるだけ知った上で、相手のためになる行動をし、お互いがよりよくなる方法を探していけたらいいなぁと思います。
あなたも、この返報性の法則を上手にビジネスに活用してみてくださいね?
最後に、もしもあなたが、勉強になったとか、為になったとか思ってくれたら、シェアしてくれると嬉しいです!
それでは今回はこのへんで!
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