本題に行く前に、前回の「一貫性の法則」の記事についてはこちらよりご覧ください。(→一貫性の法則の記事)
さ!人気となったこの人間の本質シリーズ(?)第6回目のテーマは「アンカリング効果」についてお伝えします。
そうです。アンカリングとは、事前に見せられた情報がアンカー(いかり)となり、後から得た情報に影響を与える心理効果のことを言います。
ここでわかりやすいアンカリング効果の実験をしたいと思います。

ここに一本のワインがあります。
第一印象で構いませんが、このワイン、10,000円より高いと思いますか?それとも安いと思いますか?
では、あなたはこのワインをいくらぐらいだと思いましたか?
最も近い金額を、以下の3つから選んでみてください。
- 13200円
- 7800円
- 2500円
さて、答えましたでしょうか。
あなたが第一印象で思った金額に、もっとも近かったのは②か、もしくは①だったのではないでしょうか?
もしもあなたの答えが①もくしは②であったのなら。これはアンカリング効果の影響と言えるでしょう。
アンカリング効果とは?
アンカリングの「アンカー」とは、船のいかりのこと。
アンカーを海底に下ろす事で、その場所に留まることができるわけです。そのアンカーの意味を用いて喩えられているのが、アンカリング効果なのです。
最初に掲示された情報が「アンカー」となり、そのアンカーが落とされた人の思考はその影響から離れられなくなるってわけ。
先ほどお話ししたワインの実験では、まずあなたに「10,000円」という基準を掲示したわけです。これがアンカーになるわけですね。
すると、その10,000円が基準となってしまい、いくらか?と聞かれると、その10,000円が強く影響した価格を選んでしまうって事です。
確かに、おっしゃるとおり、これはかなり強力なパワーを持っている心理効果なので、コピーライティングを学ばれた方は必ず。
悪用厳禁!
そう言われているんです。
ということで、このナツコカンパニーの記事を読んでいるあなたは、絶対に悪用しないと約束してください。詐欺師も使うようなテクニックと言われていますので、適切な使い方をいましょう。
メニュー表で活用する
セールスコピーライターであれば、ウェブサイトの商品ページを作ることもあるでしょう。
その際に、このアンカリング効果を上手に活用すれば、同じ価格であったとしても、普段よりも安く見せることができます。
例えば居酒屋で、肉系を食べたいとしましょう。
- 枝豆 380円
- ポテト 400円
- ステーキ 1980円
こうなっていたら、ステーキが高く感じますよね。これはアンカリング効果がない状態です。
しかし、最初で見るメニューがこうだったら?
- スペアリブ 7600円
- ローストチキン 4800円
- ステーキ 1980円
これは、実際に不動産業界ではよく使われているようです。
最初に高めの物件を見せて、二番目にボロボロな物件を見せる。
そして三番目に一番条件に近い物件(でも予算より少し高め)を提案すると、価格は変えていないにもかかわらず、成約率がかなり上がるというデータが出ているんだとか。
メニュー表でも同じで、最初に見た数字に影響されるのであれば、価格の高いものから順に書くべきなんです。
私がアドバイスしているスポーツクラブでは、月謝が一番高い12000円を掲示しています。一番低いもので4500円なので、4500円だけを見せるよりもかなり成約率が高くなるんです。
アンカリング効果は、このような場面でも使えるセールステクニックなわけです。
あなたもアンカリング効果を使ってみよう!
いかがでしたか?
人は、最初に目にした情報が印象に残ります。この効果を活用して、メニュー表を改善するだけで、かなり成約率も変わってくると思います。
また、セール時には、定価で販売している価格をあえて最初に伝え、その後にセール時の価格を見せることで、お得感がでます。
あれはお客さんのレスポンスを得るのに最高なんです。
ただその前の商品説明の段階で、定価でも安いと思えるほど、価値を伝えられていることが条件となりますが。
と、いうことで、今回のテーマは「アンカリング効果」についてお伝えしました。
だんだんと進んできました人間の心理シリーズ。引き続き続編をお楽しみに!!
それでは今日はこのへんで!
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